コウノドリ (鈴ノ木ユウ) TVドラマ化放映間近、原作を考察してみました。 [話題の電子コミック]
出産は病気ではない。
だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる。
毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。
その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。
それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
>>> コウノドリ
鈴ノ木ユウ先生の漫画『コウノドリ』は、「聖ペルソナ総合医療センター」(産婦人科)を舞台に、そこに携わる医師達、助産婦、患者、患者の家族らの悲喜こもごもを描いた作品で、2012年8月から『モーニング』(講談社)で絶賛連載中の大人気漫画です。
2015年、第39回講談社漫画賞・少年部門にノミネートされ、10月16日から、TBS系テレビドラマとして放映されます。
TVドラマは、
キャスト
鴻鳥サクラ…綾野 剛(あやのごう)
下屋加江…松岡茉優(まつおかまゆ)
小松留美子…吉田 羊(よしだよう)
白川 領…坂口健太郎(さかぐちけんたろう)
角田真弓…清野菜名(せいのなな)
加瀬 宏…平山祐介(ひらやまゆうすけ)
船越拓也…豊本明長(とよもとあきなが)/東京03
大澤政信…浅野和之(あさのかずゆき)
小野田景子…綾戸智恵(あやどちえ)
向井祥子…江口のりこ(えぐちのりこ)
新井恵美…山口紗弥加(やまぐちさやか)
四宮春樹…星野 源(ほしのげん)
今橋貴之…大森南朋(おおもりなお)
の、豪華キャストで行われます。
『コウノドリ』の原作では、 医師であり、ジャズピアニストでもある、主人公の鴻鳥サクラ先生が登場しますが、良くある医療漫画の主人公のように、スーパーヒーロー的活躍を見せると言うものではなく、患者やその家族、助産師や、産婦人科と連携する小児科医など、脇役の生々しい現場の視点、声にスポットがあたっています。
そして、それぞれが、しっかりと等身大の“人間”として、人間臭く描かれています。
鈴ノ木先生が、この『コウノドリ』を手がけようと思ったきっかけは、ご自身の奥様の出産に立ち会い、えらく感動し、これを伝える使命を感じたから。
その経験と情熱で、 かなり綿密に深い部分まで取材をされ、それを作品に遺憾なく発揮していることもあるのためか、実際の現役の医師の読者の感想や評価は、リアリティーがある、高い評価を得ています。
医療系のフィクションで、このように医師側からも高い評価を得ているものはそれほど多くはないと思いますね。
因みに、ちょっと驚いたんですが、産科医でありピアニストという設定の鴻鳥医師ですが、このキャラは、実際に鈴ノ木先生の奥様の担当の医師がモデルだということです。
そんな高い評価を裏付けるような物語のエピソードを一つ、『コウノドリ』第一巻の中での 鴻鳥医師の言葉を紹介しますと…
『出産は結果。医師の判断が間違っていても母子ともに無事ならだれにも責められない、逆に医師の判断が間違っていなくても、母子のどちらかに問題が生じた場合、患者との信頼関係などすぐに崩れてしまう…』
実際の医療の現場では、
「◯◯合併症を起こすこともあリます」
とインフォームドコンセントしても…
その時一番いいと思った処置をしていても…
いったん予期せぬ合併症や症状が起きれば、患者さんや家族から責められる。
どんな名医が治療しても、予期せぬことが起こるのが「リアルな医療現場」であり、現実なんだそうです。
「無事に生まれてあたりまえ」
なんて、けしてそんなことはない、それは、奇跡的なこと なんですね。
私にも娘がいますけど、改めて、生まれてきてくれてありがとうって言いたくなりました。
TVドラマも楽しみですけど、是非、原作も読んで欲しいと思います。
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