SSブログ
スポンサードリンク

アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女 [電子コミックを無料で始める]

アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女

 『アサシンズプライド』
著者:天城ケイ イラスト:ニノモトニノ

マナという超能力を持つ貴族たちが怪物たちと戦い、人類を守るという設定。
マナ能力者の養成学校に通う少女メリダは、代々聖騎士(パラディン)を輩出してきた名家・アンジェル公爵家に生まれながら、マナの力を発揮することができない落ちこぼれ少女だった。

そんな「無能才女」の彼女を鍛えるために、家庭教師として凄腕のマナ能力者・クーファ・ヴァンピールが彼女を指導することに……

と、ここまでのストーリー展開だと、よくある「育成もの」「教官もの」なのかな?と思える本作。

けれどもクーファには、メリダの家庭教師という立場は、仮の姿で、真の目的は他にあったのだった。

実は、メリダが聖騎士の力を持ち合わせていないのは、彼女がアンジェル公爵の子ではなく、母とその密通相手の不義の娘だからという噂があったのだ。

クーファに与えられた真の使命は、メリダのマナ能力の有無を確かめることだった。

そして、もし本当にメリダが聖騎士の力を持たないとわかれば、彼女を秘密裏に抹殺、彼女の存在ごと、その不名誉な事実を闇に葬れ……というものだった。

そう、家庭教師の正体は、暗殺者(アサシン)だったのだ……。


今回、管理人がおすすめする作品は、第28回ファンタジア大賞にて《大賞》受賞作品となった、天城ケイ『アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女』(ファンタジア文庫)。

クーファの見るところ、メリダという少女は、まったくマナの力を持たない、正真正銘の「無能才女」であった。

けれども、それでもアンジェル公爵家の娘として、人々の盾となって戦うべく、一途な――そしてまったく無意味で不毛な――努力を続けるメリダの姿に心を打たれたクーファは、あるひとつの決意をする。

自分のマナの力をメリダに移植することで、あたかも彼女がマナ能力に目覚めたかのように周囲に見せかけるのだ。

かくして、メリダは、クーファの企みによってマナ能力者に覚醒する。

ただし――パラディンではなく、クーファと同じサムライ・クラスとして。

「暗殺ターゲットを教師として育成するハメになる暗殺者」という、このふたりの関係が大変に面白い。

このネタだけで勝ち、という感じだ。

可愛い生徒の育成に失敗したら、即暗殺決定。

しかし、あんまりやりすぎて、彼女がパラディンじゃないとバレてもやっぱり暗殺決定。

暗殺教師は、はたしてクライアントを世間を、そして生徒自身をどこまで欺き続けられるのだろうか?

一方、そんな教師の苦悩も――そしてその真の正体も――知らず、マナの力に目覚めたメリダは、ひたすらに教師の教えに従って能力者として急速に成長していく。

メリダはマナ能力が皆無でありながら、それでもずっとマナ能力者としての勉強と練習を続けてきた、ひたすらまっすぐに少女であって、そのがんばりを見ていると無条件に応援したくなるわけだが、教師の職業が職業だけに、その教えはただ実戦特化の暗殺技能。

高貴な貴族のお嬢様が、ただひたすらに、まっすぐに、暗殺者として育っていくわけで、その健気さと、身につけた戦法のエゲツなさのギャップが楽しい。

ゲームのようにステータスが数字で表記される世界観は、好みがはっきり分かれるだろうが、JRPGに親しんだ読み手ならきっと心をくすぐられるはず。

また、集団戦闘の描写は、おそらく『League of Legends』などの「DotA」系ゲームを参考にしたと思われ、これについては続刊以降、さらに踏み込んでの、戦略性に富んだバトルが期待できそうだ。

はたしてクーファの企みはいつまで隠しとおせるのか、あるいはメリダは本当に聖騎士の血を引いていないのか……等々、先が気になる伏線も大量に仕掛けられていて、実によくできている。

大賞の名に恥じない完成度の作品だ。

「10点中10点」「絶対に売れます」等々、審査委員が絶賛するのも納得。

努力も根性も俺TSUEEEもたくさん詰まった、ファンタジア文庫らしい、王道のバトルファンタジー。


>>>アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女

▲表紙をタップして▲

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。